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zaininnari Blog

「使ってみたら分かる」にかける余裕はない

「使ってみたら分かる」
決して派手ではないが、細部まで考えられて作られた製品の素晴らしさを理解してもらう際に使う言葉。

技術屋(シーズありき[⇔ニーズ])さんがよく使う言葉。

または、製品が完成していなく、機能だけ完成している場合の言い訳の言葉



The proof of the pudding is in the eating.
プリンであることの証明は食べてみればわかる。
⇒論より証拠

高校の教科書の「広告の形而上学」(ヴェニスの商人の資本論 by 岩井克人 筑摩書房)載っていたものを思い出す。

資本主義では、商品は、お金を出さないと使ったり、食べたりすることは出来ない。
しかし、プリンがおいしいプリンである証拠は、買ってみないと分からない。
買わずに、おいしいプリンであることを消費者に分かってもらうために、広告が存在するようになった。

という話だったはず。

広告が存在するようになると、、
商品の売れ行きは、おいしさプリンを作ることで決まるのではなく、
数多あるプリンの中で、”おいしそうな”プリンの広告を作ることで決まることになる。

食べてみなければ、味の評価ができないため、
食べてるまで、プリン同士の味の順序は決まっていなく、
食べてもらうチャンスは平等にある。
売る側からしたら、その平等さに差を付けて、販売したいから
食べる前に、差をつける手段として広告が存在するようになった。

つまり、他との差(差異)が価値を持つようになったため、広告が存在するようになった。



話は、元に戻って、「使ってみたら分かる」は、
多数の商品からひとつの商品を選ぶ際には、
有料であれば、お金・時間が、
無料であれば、使用する時間が
必要になることを考慮していない。

最近のWebサービスは無料が多いが、
とてもすべてのサービスを使用する時間的余裕はない。
その少ない時間をどうやって振り向けてもらうか、という戦略が必要になる。
(余暇的なものでなく、根本的(衣食住にかかわるもの)なものに、高品質なものを提供すればいいじゃないか、というのが最近の考え)

もちろん商品には、コアとなる素晴らしい技術は、必要だが、
それらを如何に魅せるか、という視点を欠如したままだと、
「技術の良さが分からないから・・・」という意味不明なことばを発してしまうことになる。